小児歯科 pediatrics
「健康で美しい歯」は親がプレゼントできる一生の宝物
いつまでも健康な歯とお口でいるためには、「予防」が大切です。その土台は、子どもの頃からむし歯や歯周病になりにくい環境を整えることによって作られます。
乳歯は永久歯よりもむし歯になりやすく、むし歯を放置すると、乳歯の下で成長している永久歯にも悪影響を与えてしまうかもしれません。いずれ生え変わるからと放っておかずに、保護者の方が歯科医院に連れて行って治療するようにしましょう。幼少期から自分の歯に関心を持つように導き、歯磨きなどお口をきちんとケアする習慣をつけるようにしてあげることが、将来的な予防につながっていくのです。
乳歯のむし歯の特徴
乳歯のむし歯は永久歯よりも進行が速く、5ヶ月ほどで神経に達してしまう可能性があります。これは、歯の表面のエナメル質が永久歯と比べると薄くてやわらかく、酸に弱いからです。
3歳頃までは上の前歯、特に歯と歯の間や歯と歯ぐきの境い目がむし歯になりやすいので要注意です。下の歯は裏側に唾液が出るポイントがあり、酸で溶け始めた歯の再石灰化を促したり、細菌を洗い流したりする唾液の作用によって、ある程度は守られます。3歳を過ぎてからは、奥歯の間や溝がむし歯になりやすくなります。6歳前後には1番奥に「6歳臼歯」が生えてくるので、丁寧にケアしてください。
お子様のむし歯はわかりづらいので、気づいたときにはかなり進行していることもあります。年に2～3回は歯科医院で定期的な歯科検診を受けるようにして、早期発見を心がけましょう。
むし歯と発育の関係性
乳歯が生えてから永久歯に生え変わるまで、約10年。長い人生の中で乳歯を使うのはたった10年ですが、とても大切な役割を担っているのです。
よく噛むことで刺激が脳に伝わり、活性化されることによって身体能力にもよい影響が期待できます。さらに、口や顎の正常な発育が促されて歯並びが整い、正しく発音や発話ができるようになります。
良好なお口の環境の中で健康な乳歯を使うと、その下では健康な永久歯が育ちます。子どもの頃から健やかな歯でよく噛んで食事をすることは、大人になってからの健康なお口と身体へとつながっているのです。
むし歯の予防
フッ素塗布
フッ素を歯に塗ると、表面にあるエナメル質の成分が「フルオロアパタイト」という硬く安定した構造を作ります。これにより、酸によってミネラルが溶けにくく、むし歯に強い歯になることが期待できます。大人にも行われるケアですが、歯のやわらかい乳幼児期に行うと特に効果が高いといわれています。
フッ素はお茶や海藻などにも含まれ、安全性の高い天然成分です。年齢に合わせてフッ素の濃度を調節し、むし歯の予防に役立てています。
シーラント
シーラントとは、奥歯の溝や前歯の裏側などをプラスチック(歯科用樹脂)で埋める処置のことです。溝が深い部分は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが起こってむし歯菌が繁殖しやすい場所です。そこを埋めることで、むし歯を予防します。
すでにむし歯になっている場合は、初期のむし歯ならそのままシーラントを行うこともありますが、進行しているとむし歯の治療を優先して行います。
条件によって保険が適用されるので、お気軽にご相談ください。